仏具系ポップユニット「佛佛部」がお送りする「念持仏造立教室」。
木彫から漆塗り、金箔押し、そしてお厨子の建立に開眼法要まで、仏像づくりの一連の工程を全て体験できる、超豪華ワークショップです。
第一回「木彫編」、第二回「漆塗り編」を経て、本日は「金箔押し編」!
いよいよお地蔵さまの完成です✨
今回も、メイドくーたんが開催レポートをお送りします!
第三回の講師をつとめられるのは、箔押師の藤澤のりふみさんです。
まずは金箔についてのレクチャーからスタート。
金沢で生産されている「縁付き金箔」をはじめ、使う材料はすべて、本格的なものばかり!
ただお手軽なだけの体験ではなく、深いところから金箔について知ってほしい、という思いからきています。
また、藤澤さんは、危機に瀕している金箔の伝統を守りたいという思いからも、佛佛部に参加してくださっています。
金箔を押すための接着剤となるのは、漆の木から取ったそのままの「生漆(きうるし)」!
実は、この「生漆」による下ごしらえがとっても重要。
綺麗な仕上がりになるかどうかの分かれ道になります。
(こちらの紹介動画も参照!➡︎https://youtu.be/6i7e08r9iwY)
まずは板を使って練習!
生漆をこってりと塗ったあと、布で「拭きこなし」ていきます。
藤澤さん曰く、
「ガムテープの接着面くらいの「ぺちっぺちっ」という感触が、金箔を押すベストなタイミング。
「かげんがきた」といいます」
この「かげん」を見るために、十数年の修行の年月が詰まっているといっても過言ではないとか・・・!
「かげん」がくるまで、表面を根気強く「拭き」、「こなす」ことを繰り返していきます。
生漆の下地がととのったら、いよいよ「金箔」を触っていきます。
こちらもまずは板で練習!
金箔を乗せたあとは、上から真綿で押さえて金箔をしみこませていきます。
慣れてきたら、次はいよいよお地蔵さまへ!
「こなす」作業のなかで、藤澤さんは漆を「丸め込む」といった表現も。
金箔を押すのにちょうどいい硬さになるまで、ひたすらに漆を「練る」のだといいます。
ときにはブラシで擦って、「漆をびっくりさせる」ことも必要だとか・・・!
「その日の温度や湿度によっても変わってくる。こればっかりはマニュアルにできない、感覚の世界です」
まさに生き物のような漆の奥深さ。
「かげん」の良し悪しは、できあがりの金箔のツヤにダイレクトに影響します。
1000年来変わらない技術の凄みを感じます・・・!
かげんが来たら、いよいよ金箔押しの工程へ!
最初はおっかなびっくりだった参加者のみなさんも、
この頃になると、だんだんと金箔の扱いかたに慣れてこられているようでした。
全体に押し終えたら、余分な箔を箱の上で払います。
そして、最後はなんと・・・・・・
超豪華!!金粉仕上げ!!!
顔、足、手といった「肌」の部分にもういちど漆を塗り、金粉を撒いて仕上げます。
かの快慶も好んだ技法だとか。
そして・・・ついに完成!
金箔仕上げはやっぱりテンションが上がる!!!
ここまでの工程、長い道のりだっただけに感激もひとしおです・・・✨
講師 金箔押師・藤澤のりふみさんより
彫刻、漆塗りと続きいよいよ金箔を押して念持仏さまの完成です。
第三回ともなりますと参加者の皆様同士が緊張感の中にも終始和気藹々とした和やかなムードを作ってくださっていて私の方が助けて頂いた一日だった気がします。
今回は金箔を押す接着剤に生漆を使用しさらに金粉を蒔く『ヌグイ仕上げ』にしており本来の金箔押の伝統技術に沿った形でさせて頂きました。
本格的技術なので少し難しかったかな、とは思いましたが結果的に皆様の作品が個性と魂を持った素晴らしい念持仏さまに仕上がったことが何より嬉しく思いました。本当に有り難うございました。
参加者の皆さん、今回も一日お疲れ様でした🙏✨
来月はついに最終回!!
宮大工集団・匠弘堂の横川総一郎さん、錺師の竹内直希さんをお招きしての「お厨子建立」、
そして龍岸寺・池口龍法住職による「開眼法要」にて、「念持仏造立教室」第1期は完結となります!
次回の開催レポートもお楽しみに!
執筆メイドくーたん
龍岸寺にお仕えするメイドです。
皆様とともに仏教文化を学び、人類の営みに萌え、「佛議」を醸してまいります
文学(修士)/イラストレーター