お盆のお飾りはどうしたらいいの?

よくある質問
8月になると、毎年決まって、「お盆のお飾りはどうしたら…」という質問をいただきます。
特に、初盆を迎える檀家さんから、尋ねられることがよくあります。「初盆だから丁寧に供養したい」という意気込みと、にわかに自分がお盆の仏壇飾りを担当することになった不安が、交錯してのことでしょう。
しかし、この質問は、わりと難題です。私は、小学生の頃から、小僧さんとしてお盆参りに付き添って、たくさんのお飾りを見てきましたが、その飾り方は各家庭によってまちまちでした。畑で作物をつくられているご家庭では、きゅうり、茄子、トマトなどの夏野菜がふんだんに供えられているのをよく目にしました。逆に、仏壇にはお霊供を供えるぐらいで、ことさらに普段と違うお飾りをしていないおうちもありました。
つまり、ご家庭の習わしや、仏壇の大きさなどによっても、お盆の飾り方の正解は変わってきます。簡素なお飾りでも、そこに心がこもっていれば十分な供養です。だから、質問に答えにくいのが、本音なのです。
インターネットの答え
私に聞くよりも、インターネットで検索していただくほうが、あるいは正解に近づけるかもしれません。ネット上には、なすで牛を作ったり、きゅうりで馬を作ったりというお盆飾りの風習が、イラスト付きでこと細かに解説されています。初盆のときは、白提灯を飾るという風習も、情報として知ることができます。
ただ、ネット上には情報が多すぎてかえって迷うようで、最終的には私のところに相談に来られます。模範的な飾り方で祀ってみても、「本当にこれでいいの?」という不安が完全には拭えないのでしょう。
聞けるうちに聞いておこう!
だから私は、「ご両親が元気なうちに、先祖供養の仕方を教えてもらいなさい」と口酸っぱく言います。 お霊供も、毎食の献立を決めて、毎年同じように供えている方もあります。その献立を生前に教えてもらって、その通りに受け継ぐことができたら、自分の供養の仕方に安心できるはずですし、供養の想いも自然とこもるでしょう。このような「おうちルール」は、ネット上のどこにも載っていませんし、いったん失われたらもう取り戻せないので、継承するようにつとめてほしいと願います。
あいにく、「おうちルール」が失われてしまうケースも多々あります。その場合には、ネット上の情報を頼りとて、自分なりの供養の仕方を楽しく追求するのが、現代らしい作法だろうと思います。

文 龍岸寺住職・池口龍法