掲示板法話「サンタはお寺にやってくる?」
鳴り響くジングルベル
12月になると、街の中はどこに行ってもクリスマスモード。クリスマスツリーが飾られ、ジングルベルが鳴り響きます。日本人はキリスト教徒よりも仏教徒のほうが圧倒的に多いはず。それなのに、どういうわけか、クリスマス、つまり、イエス・キリストの誕生日は国をあげて祝うのに、お釈迦さまの誕生日(4月8日)はお寺のなかでひっそりお祝いするのみです。
「クリスマスは宗教行事が商業的に消費されているだけだ!」なんて声高に指摘するお坊さんもいますが、私には強がりを言っているようにしか聞こえません(笑) 仮に商売の道具になっているとしても、街の中が日に日に華やかに飾られていくのは、羨ましいのが正直なところです。クリスマスソングは、耳なじみの良いものが多く、気が付けばお寺の中で口ずさんでいたりすることもしょっちゅうです。
サンタはお寺にやってくる?
私には、子供が2人います。
12月になると、やはり、子供たちはサンタクロースのことが気になります。
お寺は仏教の礼拝の場所。サンタクロースはやってくるのでしょうか。
お寺によっては、サンタクロースは門前払いをくらってしまい、子供はプレゼントを受け取れないところもあるようです。これぞお寺の住職らしい毅然とした振る舞いなのかもしれません。でも、私はお寺に生まれ育ちましたが、子供の頃、どういうわけかサンタクロースは山門をくぐって入ってきていました。サンタクロースのために残しておいた夕食のチキンも、おいしく平らげていってくれました。だから、自分に子供ができたときも、サンタクロースを門前払いせずに、迎え入れるのが自然でした。
進みゆく道は違えど
進みゆく道は違えど幸せを願う気持ちは変わらない。メリークリスマス!
7年前の2016年12月、この掲示板に書いた言葉です。
キリスト教を信仰している人たちが、どんな心持ちで生きているのか、私にははっきりはわかりません。でも、皆さん、それなりに信念をもって、世界の幸せを願って暮らされています。だから、私としては、仏教徒であるからといって、キリスト教に心を閉ざすよりは、積極的に交流を持つべきだと考えています。
そんなわけで、今年は、イエス・キリストの誕生日を心を込めてお迎えすべく、チョコレートの入ったアドベントカレンダーも買いました。24日の夕食には盛大にご馳走を食べて、サンタクロースの訪れを待つつもりです。最初の動機が食べ物やプレゼントだったとしても、キリスト教に親しみを持つきっかけになるなら、それはそれでいいんじゃないかと思います。
ただし、下の子も来年には中学生になります。いまは逆に、いつ門前払いするべきかで悩んでいるのですが…(笑)