Wabi-Sabi Art JAPAN始動
映像でしか伝わらない価値がある、と感じるときがある。
日本三大梵鐘のひとつが、京都・知恩院にある。毎年、大みそかに、般若心経をあげたあと僧侶17人が心をひとつにして鐘を108回つく。何万人もの人出がある風物詩的な仏事である。その除夜の鐘の映像を撮ってYouTubeにアップしたときに、ドイツ語で「素晴らしい伝統だ!花火をあげて祝う我々の年越し儀式よりよっぽど素敵だ」とコメントをもらった。
コロナのことがなくても、年の瀬にわざわざ京都に来れる人はかぎられている。映像がなければ、コメントをくれた人は花火をめでて一年の終わりを楽しむのみで、除夜の鐘という新年への「祈り」の儀をついに知ることはなかったに違いない。
仏教が誕生して約2,500年。日本に伝わってからでも約1,500年。
日本のお寺文化には、仏教が持つ祈りの奥ゆきと、この国で培われてきたわびさびのたたずまいがある。「花火よりよっぽど素敵だ」という言葉には、確信をもってその通りだと思う。
だから、仏像オタクニストで音楽アーティストのSALLiAさんから「Wabi-Sabi Art JAPAN」に誘ってもらったとき、私はぜひ協力したいと思った。能楽師(今井克紀さん)、巫女(浅海鈴音さん)、仏師(三浦耀山さん)というこの国の景色をつくってきた伝統文化のスペシャリストたちと映像を作り、文化のなかで耕されてきた精神を広く日本全体に、そして世界に伝えていく。日本文化のど真ん中で暮らしてきた私に、断る理由はなかった。
コロナ禍で心がすさんだ時代に、PCやスマホからでも日本の誇る美しい風景を眺められたら、いくらか人間らしい気分を取り戻せるだろう。コロナ禍で日本文化も「不要不急」だと扱われかねないいまだからこそ、文化の持つ力を伝え、心を潤していきたい。
共感してくださった方、少額でもクラウドファンディングにご協力いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。
■伝統文化のプロを集めた『プロモーションビデオ』を作りたい!
https://camp-fire.jp/projects/view/412787
■Wabi-Sabi Art Japan 公式サイト
https://xs925760.xsrv.jp/wabisabiartjapan/